ハイソラ

NOKTON 35mm F1.2 Xマウントを購入しました

ITEM

一時的にではありますが、レンズ交換式のカメラ「のみ」持っているという状況に陥りました。

使いこなせなかったXF56mmF1.2R

私が今使っているカメラは、X-T3。

FUJIFILM X-T3

レンズはXF56mmF1.2Rしか持っていません。しかし2年ほど使いましたが、私には使いこなすことはできませんでした。
理由としては、「ここまで明るいレンズでなくていい」「線が細すぎる・柔らかい描写すぎる」という2点につきます。よく言われる「35mm換算86mmという焦点距離は使いにくい」ということは、私は感じませんでした。特に意識することなく自然と被写体をクローズアップでき、スナップする際や旅行の際にこれ一本だけ使ったこともあるくらい、好きな画角。F1.2の明るさやボケも大変綺麗でしたが、個人的にはここまで線が細い写りでない方が好みでした。柔らかい描写で人物撮影、ポートレートを撮るにはとてもいい雰囲気を持っていましたが、そもそも人をほとんど撮影しません。そしてレンズ単体で405gという重量は決して軽くはなく、気軽に持ち出せないことも相まって、ここ1年の使用頻度はかなり低かったです。以下、ごく一部ですが作例を載せておきます。

X-T3とXF56mmF1.2Rの作例の一部

葉っぱ
X-T3 / XF56mmF1.2R
山形県の山
X-T3 / XF56mmF1.2R
山 X-T3 XF56mm
X-T3 / XF56mmF1.2R
キーボードと手 X-T3 XF56mm
X-T3 / XF56mmF1.2R

Leica Qを愛せない

Leica Q
Leica Q

また、Leica Qも手に入れて本当に毎日楽しく使っていたのですが、撮り続けていると微妙に好みと異なる色合いや撮影スタイルの違いが気になり、また他のLeicaユーザーの方からお叱りを受けたりして、なかなか愛着が持てないカメラになってしまいました。

またLeica Qは、M型Leicaの代わりにはなりません。「やっぱりSUMMICRON-M 50mm F/2が使いたいなぁ」とか、「M10-Pかっこいいなぁ」とか、他のLeicaに目移りしてしまうことも多かった。
上記の出来事と相まって、使用頻度が徐々に減ってきました。個人的にLeicaのカメラを手にすることはもうないかもしれません。

この記事では、購入した時のことを作例含めかなり楽しく書いています。今読むと少し寂しい気持ちになります。

カメラ本体のみ持っている、という状況に陥った

ということで、持っているカメラがX-T3本体のみとなってしまいました。レンズはありません。

X-T3

そう、写真が撮れないのです。こんな馬鹿げたことはないなと思うのですが、本当に妥協せずに、カメラの趣味と向き合っていた結果、そうなってしまいました。
2021年の春から秋にかけてはコロナ禍が続き、遠出もできず、人とあまり会うこともない。カメラや撮影欲はこれまでになく落ちていました。
しかしながら、新型コロナの感染者数も落ち着きを見始め、徐々に人出も復活し、人と会う機会も少しずつ増え、なにより愛車を手に入れたことで、「やはりカメラで写真を撮れない日々は本当に面白くないな」と感じました。写真をしっかり撮ることをもう一度してみたいなと思ったのです。

急激に気になるNOKTON 35mm F1.2のXマウント

フォクトレンダーの公式サイトより
株式会社コシナのウェブサイト

色々と調べていると、株式会社コシナのフォクトレンダーから、マニュアルレンズであるNOKTON 35mm F1.2のXマウント用が2021年8月に発売されていると知ります。作例を見ても、開放付近では思い切りオールドレンズ風味の写りが楽しめ、絞るごとにキリッとした現代版のレンズの写りになる、非常に不思議かつ惹かれる描写のようです。Xマウント用の電子接点がついているため、マニュアルレンズであってもF値が本体に保存されたり、ピントの指標が画面上に連動して表示されたりする機能がついています。X-T3は電子接点に対応しているため、これは本当に楽しめるだろうなと急激に物欲が湧きました。しかし、あまりに人気製品のため、なかなか入荷の目処が立たず、様々な店舗の在庫状況を見ても一向に在庫有りにならず、数ヶ月待ちの予約品になっていました。

しかし、2022年3月、ある日の午後。恒例となっている在庫状況をチェックしていると、なんと在庫がある店舗があるではありませんか。価格は7万円とかなりの高額。しかしながら毎日のように在庫をチェックして、作例をチェックして、喉から手が出るほど欲しくなっていたレンズです。思い切って購入することにしました。久しぶりの新品購入。

NOKTON 35mm F1.2 Xマウント購入

NOKTON 35mm F1.2 Xマウント
NOKTON 35mm F1.2 Xマウントのパッケージ

購入から数日。新品のレンズが届きました。いや、かっこいいです。本当にかっこいい。X-T3の一眼レフスタイルのカメラとも非常に似合います。特にアップデートなどはせず、設定画面から絞り値表示設定をTNoからFNoに、被写界深度表示をフィルム基準に設定するだけで、レンズ操作によって本体に絞り値や指標などが連動します。

X-T3とNOKTON 35mm F1.2 Xマウント
X-T3とNOKTON 35mm F1.2 Xマウント

そしてビルドクオリティが本当に高い。金属製の本体は見るからに頑丈で、ピントリングのスムーズさは特筆すべきものがあります。絞りリングの「コクコク」と動く感触は、マツダロードスターマニュアルシフトに似ています。やはりよく操作する部分は、気持ちよく決まるべきなのです。
早速持ち出し撮影に行ってみました。

X-T3とNOKTON 35mm F1.2の作例の一部

コップの水
X-T3 / NOKTON 35mm F1.2 Xマウント
ワンコ
X-T3 / NOKTON 35mm F1.2 Xマウント
ロードローラー
X-T3 / NOKTON 35mm F1.2 Xマウント
日向と日陰
X-T3 / NOKTON 35mm F1.2 Xマウント
朝はパン派
X-T3 / NOKTON 35mm F1.2 Xマウント
タッチタイピング
X-T3 / NOKTON 35mm F1.2 Xマウント

真面目に向き合えば想像以上の写真が撮れる

まだ数回しか撮影していませんが、当初の評判通り、開放付近では個性的な写りになります。オールドレンズの沼にはまだはまっていませんが、かなり古い描写になります。にじみがかなり出てくるので、モノクロ(フィルムシミュレーションACROS)が大変似合う描写です。
また当然なのですが、マニュアルレンズは想像以上に面倒です。きちんと被写体に向き合って、ピントのピークを確認し、シャッターを切る必要があります。なんとなくバシッと撮って、勝手に綺麗な写真が出来上がるわけではありません。これは重々わかっていましたが、実際に撮影してみると、これまでの撮影スタイルを一度忘れる必要があるほど、若干戸惑いました。

しかし、頭で「なんとなくこんな写真になるだろうな」という想定以上の写真が撮れる時が多くあります。真面目に写真を撮れば撮るほど、そういった写真の打率は上がっていきます。なんとなくバシッと撮って、そこそこ満足できる写真が撮れるレンズ、カメラもそれはそれで好きですが、こういったフルのマニュアルレンズで真面目に気合を入れて写真撮るのも、また良いものですね。