「最近カメラほしいって言わないね。」
緊急事態宣言下の4月終わり、ぼそっと妻に言われました。
言われてみれば確かに、2日に一回はみていたPhoto Yodobashiやkakaku.comをしばらくみていない。
3月ごろ、新型コロナウイルスの感染者数がなにやら怪しくなってきて、社会全体に「これ大丈夫なのか?」という雰囲気が流れ始めたころから、自然と物欲が下がっていたような気がします。
5月の連休中、仕事もひと段落し、時間はたっぷりとあったので、身の回りの整理をしていました。
ふと「使っていないモノを置いておくのは、モノにも失礼なのではないか。」と考えました。
毎日持ち歩いて「これがないと生活がなりたたない!」と思えるモノに囲まれた方が生活の質も上がるのではないか。
カメラが置いてある棚をじっと見つめます。
FUJIFILMのXF35mmF1.4 R、そしてRICOHのGR IIIが「もっと使って欲しいよ」と、悲しげに私に訴えかけてきました。
目次
人の写真はめちゃいいけど自分で使うとパッとしないXF35mmF1.4 R
XF35mmF1.4 Rは、Xマウントユーザーであれば一度は持つべきという意見を本当によく見かけるレンズです。
ネット上には様々な作例があり、どれも「ああ、いいなあ」「楽しそうな生活が描ききれてるなあ」と感心して拝見していました。
自分もこのレンズを使えば、単調な毎日に少しでも彩りを与えることができるのではないか。そう考えて2019年のはじめに手に入れました。
XF35mmF1.4 Rの作例
半年ほど使ってみましたが、ボケ味もふんわりと柔らかく、雰囲気ある写真が撮れるのは確かでした。購入当初ははしゃぎまくって使いまくっていました。
ただ、だんだんと「このレンズで他の人が撮った写真はめちゃくちゃ好きなんだけど、なぜか自分では同じような写真が撮れないな…」という悩みを抱えるようになりました。どことなくフィーリングが合わず、撮っていてもしっくりこない。この悩みは訓練してもおそらく消えない。
個人的にXF35mmF2 R WRの方が、ずっとお気に入りの写真が撮れていました(これも売ってしまいましたが…)。
XF35mmF2 R WRの作例
本当に軽くて扱いやすいRICOH GR III
RICOH GR IIIは、シンプルな造形で小型軽量なボディーサイズにAPS-Cのセンサー、そしてGRレンズから生み出される写真は本当に好きでした。
毎日の散歩、通勤がとても楽しくなるのではないかと考え、これもXF35mm F1.4Rと同時期に手に入れました。
起動もAFもはやく、まさしくスナップシューターの名にふさわしいカメラです。
今見返しても「ああ、こんなことがあったな」と思い出せてくれるような写真ばかり。
RICOH GR IIIの作例
しかし、この軽さゆえにカバンに入っていることを忘れ、結局iPhoneを出してしまうことが多かった。
私の場合、この手軽さが仇となり、かえって使用頻度が高くなくなってしまったのです。
いざと言う時にしか使わないカメラとしては、あまりにその機動力を活かせていない使い方でもったいない。
ということで、GR III、XF35mmF1.4 Rは、もっと使ってくれる人の元へ譲ることにし、新宿にある、みんな大好き梱包丁寧マップカメラのウェブサイトを買い取り手続きのために見ていました。
「…そういえばライカって使ったことないよな、高いだろうな」と、なんとなくカテゴリー欄をクリックしていました。
ライカQとの出会い
20代の頃は「ライカが使える年齢ではない」と、ライカを敬遠していた自分。
しかしながら
「いい写真だな!なんのカメラ?あ、ライカ…」
「おお!風景写真と鉄道写真の見事な融合!こういう何気ないスナップこそ撮りたい!どんなカメラで…あ、ライカ…」
ということがよくあります。
いつかはライカ使ってみたい。
ただ、どうしても「M10-Pの価格で軽自動車が買える」「レンズに50万かかる」という話を聞いていたため、高くて手が出せないというイメージしかなかったのです。
以前より、ライカQというコンパクトではないコンデジがあることは知っていました。
この機種も「どうせお高いんでしょ?」というイメージしかなかった。
しかし、下取り付きの価格を調べてみると「あれ?そうでもない?これだったらいける?あれ?意外とそうでもない?あれ?」。
落ち着いていた物欲もにわかに盛り上がり、気が付いた時には、いつものヤマトのお兄さんが持ってきてくれました。
これが、ライカQとの出会いです。
使ってみると、これがまたドンピシャに好みの描き方をしてくれました。
ライカQの作例
今回の記事を書くために、作例撮影のために好きな散歩コースを撮影してみました。
ライカQは「所有満足度」が高い
これまでいろんなカメラを使ってきましたが、ライカQは「買ったぞ!」という所有満足度がダントツに高い。
自己満足かもしれませんが、このおかげで「勿体無い使い方はしたくない」という決意が芽生えたのです。
そして、GR3にはなかった重さと大きさのせいで、「今日はiPhoneではなくこのカメラで撮ります」と自らに言い聞かせるように持ち歩くことができます。
GR3は日常の生活のお供にいいカメラという印象ですが、ライカQの場合は「このカメラで撮るためにちょっと出かけてきます」という感じです。
そして手ぶれ補正が意外と効きAFも決まるせいか、パパッと何も考えなくてシャッターを切っても、また間違えてシャッターボタンを押しても、それを撮った時の気温や音まで思い出させてくれるような写真が出てくるのです。
そして意外だったのは、iPhoneとの親和性が高いこと。
GR3の時には接続にまごつくことも多く、なかなか転送できなかったのですが、ライカQは一発で接続でき、アプリもわかりやすい。
個人の環境にもよると思いますが、写真以外の部分でも気に入っています。
35mmクロップと50mmクロップの機能がありますが、50mmクロップは流石に厳しいかもしれません。
基本的にはクロップせずに28mmだけで使うようにしています。
大変単純な感想になってしまいますが、ライカQは「ライカってやっぱりいいんだな」と認識させてくれるカメラだと思います。
ふたたび外出を気にしなければならない状況になってしまいましたが、少し落ち着いているときにもっと出かけてガンガン使ってあげればよかったと、最近は心底思っています。
もっとあちこちに出かけて使いたいカメラです。
今年の初め頃までは全く興味がなかったのに、今ではM10-Pやアポズミクロン、ズミクロンの作例や価格について調べまくっている自分がいます。カメラ沼を脱出しようとライカQを買ったら、ライカ沼の入り口に立ってしまった。そんな2020年です。
今年も残すところ1ヶ月。
みなさま引き続き、健康にお気をつけて楽しい毎日をお過ごしください。
今回は「【1st Roll】カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2020」参加記事です
個人的にずっとみていた「コトバコ(https://kotoba-box.com)」というブログを書かれている、しむさん(@46sym)が大変素敵な企画をされていたので、参加をしてみました。
「【1st Roll】カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2020」
「【2nd Roll】カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2020」
12月1日から25日まで、毎日2つのカメラに関する記事がアップされ、アドベントカレンダーになるという企画。
今年の10月から、このハイソラ用のTwitterアカウントをはじめたのですが、このような素敵な企画を知ることができたのもTwitterのおかげですね。
私は初めての参加のくせにトップバッターとして登録してしまいました。
これから毎日楽しみです!
2日目の第1ロールは、いしかわ はにさん(@hanisandayo)のこちらの記事です!
軽くて小さいフィルム一眼レフαSweet2の作例 #カメクラの沼カレ2020
ちなみに、1日の第2ロールは、企画されたしむさんのこちらの記事です。
「写真を撮るのはやっぱり楽しいよね #カメクラの沼カレ2020」