ハイソラ

フリーランスの人が組織のように働く大切さ

WORK

「ちょっと何言ってるかわからん」と言われかねないタイトルの記事です。
最近、「フリーランスと仕事をしたら大変な目にあった」という相談を受けました。
ジャンルが違うとはいえ、フリーランスの私がこのような相談を受けるのも不思議なことですが、客観的に自分を律することができる出来事だったので、自戒の意味も含め今後のためにきちんと文章に残しておきたいと思います。

相談をしてきたAさんは、大手企業の会社員です。
色々と人のつてを使って、フリーライターのBさんを紹介され、「すごい才能ある人だから使わないともったいないよ」という一言に押され契約をしたそう。
しかしながら、実際に仕事を進めると、締め切りは守らない連絡はつかないプロジェクトはどんどん遅れる
納品となった際、色々と注意をすると人のせいにして、自分はきちんと仕事しましたアピールしかしない
各方面に頭を下げて大変だったようです。
謝罪もなく、もう二度とフリーの人とは仕事をしない、と言われてしまいました。

なぜこのようなことが起きるのか。
今回はかなりフリーランスの人に問題があると感じますので、考えたことをメモしました。

「フリー=責任から自由になる」という勘違い

フリーになると、責任から自由になると勘違いする人を時々見かけます。
もちろんその逆で、フリーランスは全ての責任が自分に全て乗ります。
その事実に「よし、頑張ろう」と思える人と「やっぱいやだな」と考える人に分かれると思うのですが、後者の人はフリーには向かない。
責任感を心地よいプレッシャーに変えて仕事ができる人は、フリーに向いています。
独立しても成功する確率がグンと高くなると思います。

フリーで活躍している人の中には、自由に人生を謳歌し、メルセデスやBMWあたりの愛車でグッチやエルメスのブランド品を身につけて自慢をする、お金がある振る舞いを自身のブランディングとしている人を見かけます。
確かにお金はあるのでしょうが、恐らくこのような人も影では結構細かい仕事を日々しているはずです。
その一面だけ見て憧れる人は少なくなったとはいえ、大変危険な考えです。

細かい事務作業ができない人も向いていない

細かい事務作業ができない人もフリーに向いていない。
今は確定申告も登記なども、かなりわかりやすいサービスが多数あり、自分一人で完遂するこも可能です。
ただ、そのためにはきちんとした記帳、お金、仕事の管理が必要で、こういったことは細かい作業の積み重ね。
この細かい作業が苦手な人も、フリーに向いていない。
「そういったことは会計士や他の人に任せればいい」と考える人もいらっしゃいます。
もちろん、その方が確実ですし、自分がしたい仕事に没頭できます。
しかしながら、フリーランスは仕事の多くを結局一人で行うことになります。
自分の仕事の面倒は自分で見ることになります。
一部をアウトソーシングしたにせよ、細かい作業が苦手な人は、本業の仕事もおそろかになりがちです。

フリーランスと仕事をしたくない理由

「絶対にフリーの人とは仕事をしない」と思われている方は結構いらっしゃいます。
会社の規定に「法人化されていない個人とは仕事をしない」と明記されている会社もあります。
このようなイメージや規定は、仕事そのものの出来ではなく(もちろん関係はありますが)、「プロジェクトの遂行に影響が出るようなルーズさ」が原因。
法人化になると、そのようなルーズさからくるリスクは軽減されるというわけです。
もちろん、個々人の仕事の仕方による問題なので、実際にはそんなことはないのですが…。

締め切りは絶対に守ったほうがいい

自慢にもならないのですが、私はこれまで、自分のせいで締め切りを伸ばしてもらったことはありません。
メールも遅くともできる限りその日のうちか、次の日の午前中には返信をするようにしています。
当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、意外と2日3日伸ばす人は多いです。
短いとは言え、数日でも締め切りは伸ばしてはダメだと思います。
特にフリーの場合は、このような細かな連絡、締め切りの厳守こそ大切になってきます。

Macのメール

小さい仕事しか回ってこないのは、理由があるのでは

フリーで働くと、大きなプロジェクトの隙間のような、細かい仕事にあてがわれることも多い。
下請けの下請けの下請けの下請け、みたいな仕事も時には降ってきます。
フリーになりたて、独立したての頃はそういった仕事が多いのは仕方のないことです。
ただ、「小さい仕事ばっかりだよ」と文句を言う人に限って、連絡が遅かったり仕事が延び延びになったりしているものです。

新入社員の「小さな仕事ばかりでやる気が出ない」という意見をよく目にします。
そのほとんどは小さな仕事自体に不満を持っているのではなく、「いつになったら責任感ある仕事ができるのかわからない」「いつまでもこのような仕事ばかりなのではないか」という不安から来るものだと思います。
中には本当に細かい仕事が嫌で、とにかく大きな仕事がしたいと言う人もいますが、「大きな仕事はできるが細かい仕事ができないんだよね」と言っている人は、たいてい大きな仕事でも抜けています。
それは会社員、フリーランス、ベテラン、新人問わず一緒です。

組織の一員のようにフリーとして働く

私は、フリーランスのメリットである「身軽さ」を最大限に生かしつつ、組織の一員、もとい「自分=組織」として働くことをお勧めしています。
「自分株式会社」として、自分自身が組織全体かのように責任をもって仕事をするイメージです。
仮にそのような仕事の方法を身につくことができれば、身軽さ、気軽さと責任感を兼ね備えた、最強のフリーとして働くことができます。
事実、稼いでいるフリーの人はそのような人が多いように感じます。

大きな仕事ができるようになっても、結局は細かい仕事の連続であり、その全てを一手に一人で引き受ける。
このくらいの気概がないと「なかなかフリーは大変な世界なのだ」と自分に言い聞かせて、今日も仕事に励みたいと思います…。