小学生6年生のとき、学校に行けなくなったことがありました。その時にラジオというものを初めて聴いて、なんとなく寂しさがなくなっていく感覚をおぼえて、そこからラジオファンになりました。
特定のタレントやDJの番組を聞くわけではなく、FM・AM問わず、朝昼のワイド番組から深夜放送まで、幅広く聴くようになりました。
中学校1年のある日の夕方、いつも聴いていたFMヨコハマではなくJ-WAVEになんとなくチューニングを合わせてみました。
流れていたのは、渋谷の街で偽物のベッカムとラーメン屋に行き、ラーメンを食べるという企画。ベッカムにそっくりなので「ラーメン屋の外に人だかりが出来ました〜」と笑いながら話していました。なんてくだらない放送なのか、ラジオで初めて大笑いしながら聴いていました。
それがJ-WAVE、そしてグルーブラインとの出会い。その時からラジオが聴ける環境にいる時は、欠かさず聴いていました。メールやFAXも可能な限り送って、実家には番組のグッズやJ-WAVEグッズがそこそこあります。
DJはピストン西沢と秀島史香というコンビ。今は無きHMV渋谷から公開生放送をしていて、時々学校帰りに寄って見学に。
ピストンさんはDJミックスを公開かつ生で毎日やっていたため、私はそこで手元を見て、マッシュアップとDJ機材の扱い方を覚えました。
渋谷のスタジオが閉鎖になり、六本木ヒルズから放送するようになってからも聴いていましたが、ピストンさんと秀島さんの息が合わないなと感じることも多くなりました。秀島さんが卒業し、私も環境が変わり聴く機会は減っていきましたが、夕方の習慣になっていたため、それでも聴ける時は聴いていました。まるで近所にある喫茶店のような、毎日は寄らないけども気が向いた時に行こうか、というような感じです。
しかし2022年の9月末で番組が終わってしまいました。実に寂しい。
この番組で知ったアーティスト、曲は山のようにあり、私の青春時代に多大な影響を与えてくれたのは間違いありません。高校1年の時に同じクラスになった、自分とは全然性格も見た目も違う華やかなイケメンがいたのですが、ひょんなことでGROOVE LINEリスナーと知り、高校で一番の仲良しになりました。ラジオというのはテレビと違って、人と人が繋がれるメディアなのです。それが本当にわかるのが、このGROOVE LINEという番組でした。
さあ、これからJ-WAVEはどこへ向かっていくのでしょうか。
昔は一日中つけっぱなしだったのですが、いよいよ朝の「TOKYO MORNING RADIO」と「GOOD NEIGHBORS」くらいしか、定期的に聴く番組は無くなってしまいました。懐古主義は好きではありませんが、10年前と今を比べてしまうと、10年前の方が本当に聴きやすい放送局だったと思います。今のJ-WAVEはあまりにも多様性やSDGsを重要視しすぎていて、かえって多様性を感じることはできません。皮肉なことです。おそらくこの番組も、局自体の方向性と全く噛み合わなくなってしまったのでしょう。次の番組もGROOVE LINEとは毛色が異なる番組のようです。
終わりは始まりであるとピストンさんは言っていますが、やはり終わりは寂しいものです。最後の終わり方もふざけていて、ああ本当に終わってしまうのだなと余計に感傷的になりました。
改めてピストン西沢さん、秀島さん、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。