HIGH ISO LIFE

フリーランスのデザイナーの目線で、色々なことを考えるブログ

「次に大きな仕事を紹介するんで」はやってこない

悪循環

「次、もっと大きな仕事紹介するんで、今回は安くお願いしますよ〜。」

何度この言葉を聞いたことでしょうか。
フリーランスでデザイン業をはじめてから丸8年。流石にここ最近はあまり聞かなくなってきましたが、開業当初は毎回この言葉に乗せられてきました。
現在、独立したての方やこれから独立をしようとしている方、フリーランスとして新しく仕事を始めようとしている方に、はっきりとお伝えします。
このような誘い文句では「絶対大きな仕事はこない」ということです。
仮に来たとしても、「(面倒さが)大きい安い仕事」か「やりがいのない小さな仕事」だけです。

私の大切な知人が、この悪循環に陥っていると相談され、キーを打っている次第です。

なぜ悪循環になってしまうのか

こうなってしまう理由は様々ありますが、大きく分けて2つあると考えています。

1.「いきなり大きな案件を任せるにはあまりにも不安」

紹介をされたのはいいものの、「いきなり大きな案件を任せるにはあまりにも不安」というクライアントの心理。
これは十分に理解できますよね。
見知らぬ人に「お金かして!」と言われるのと、同じです。

「まだ分からないけど、知っているこの人がどういう仕事をするのか、少し見てみたい」という場合、どうしても安い案件になってしまう。
この場合、その案件で丁寧な仕事をすると、次に大きな仕事が来る可能性はあります。
しかし、このような場合、当初からある程度信用がおける関係性である必要がありますし、感覚的に「やりがいはある」仕事であることも多いです。
書面で「今回はこの金額からこの金額を差し引きますが、今回限りとさせてください」と約束を結ぶとよいです。
その分、安い報酬でも気を引き締めて全力を出さなければなりません。

2.安く使える人材としか見られていない

次に、「安く使える人材としか見られていない」ということ。
安くていいもの、なおかつ経営努力で自分の利益にもつながっている、という場合はもちろん違います。
Win-Loseな関係で「安いね」と思われてしまっていることがまずいのです。

「今回もこのくらいだけど、前回の評判がめちゃくちゃ良かったから、たのむよ」
「ちゃんとした見積もり出したんだけど、値切られちゃってさ、この金額でお願いしますって言われちゃって」
「ほんと、●○さんの仕事が大好きなんですよ、この金額だけどできることはやるので」
このような甘い言葉とともに、悪循環という扉を開けさせるのです。

その人からくる次の仕事も、「これ、俺がやらなきゃいけないのかな」という内容の苦しい仕事であることが多いですし、仮にその人から紹介を受けた別の人が依頼をしてくる仕事であっても、苦しい仕事であることが多い。
なぜなら紹介をするときに「この人、いい仕事するんですよ。この金額でしてもらったんですよ。」という余計な情報を付け加えていることが多いから。
私もスタバでそのように紹介された経験がありますが、「なんで余計なこというんだよ!」とめちゃくちゃ睨んだことを思い出します。

小さな仕事で小さなギャラは仕方ない

ここで勘違いしてはならないのは、「小さな仕事で小さなギャラはしょうがない」ということです。
単に予算が少なく、このくらいの金額しか出せない、という場合もあります。上記の1.のパターンもそうですね。

この場合行う仕事も小さくなりますが、小さな仕事だからといって断ってばかりいると、全てのチャンスを捨ててしまうことになりかねない。
自分の実績を積み重ね、「私はこういう仕事をしてきましたよ」と胸を張って社会に伝えるためには、「小さな仕事でかかる工数はこのくらいだから、この金額はしょうがないな」と思える仕事を次々にこなしていくこと。
大きな組織に所属していて、それなりに名声がある中で独立し、「独立待ってました!」と大きな仕事が次々舞い込んでくるのは、一部の著名クリエイターだけ。そのような人でも開業当初は仕事が来ず、苦労していることもあると聞きます。
小さな仕事が組み合わさり、大きな仕事に変貌することもあります。
ここだけは、自分の頑張り次第と、クライアントとの相性や信頼関係に依るところが大きいです。

悪循環に陥らない仕事の選び方は「仕事をした先がイメージできるか」

一番効果的な悪循環の防止法は、やりがいの基準を明確に設けて、その壁をクリアーした案件をしていくこと。
「やすいなぁ」と感じても、クライアントの姿勢や、「今後の社会に必要だろうな」「これが実現できたらいいな」と素直に思える仕事は、金額が多少安くても、自然と全力で仕事ができます。
コツは、出来上がった仕事がどのように使われるのか、社会の中でどう存在するのか、明確にイメージできるかどうか
あまりイメージできない仕事は、やりがいのない仕事であると私は定義しました。

受けてしまった場合どうするか

見知っている人からの安い案件を受けてしまい、受け取れるギャラも少ない、やりがいもない、時間的余裕もない。
このような「無い無い尽くし」の仕事の場合は、出来るだけ早期に切り上げ、次にその人からの仕事は受けないということにつきます。
仕事の依頼を受けるのは、とてもありがたいことです。どのようなクライアントにも言えること。
ですが、単に安い労働力としかみていない、悪い意味で頼みやすい人であるとしかみていないこともあります。
そのような人とお付き合いを重ねるのは、あまりにも自分にとって不利益です。

独立すると、責任も増えますが、自由も増えます。
責任だけ増やして、自由さが増えていないフリーランスの人が多いのではないかと感じます。
責任をもって、きちんとした対応をして、きちんと仕事をこなすことが、自分のためにも、社会的にも必要。
そのためには、ある程度仕事を選ぶことも、また大切なのではないでしょうか。

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