すっかり更新が空いてしまいました…。
実は先週、数年ぶりに熱を出してしまい、「こんなに苦しかったっけ?」という思いをしました。
健康管理にはとても気をつけていたつもりですが、やはり体調を崩すときは崩してしまうものです。人間だもの。
かなり寝ましたが、それでも目が覚めてしまうことも多く、久しぶりにじっくりと本を読むことができました。
積ん読していた本も読了。
その中から、印象に残った『スタンフォードで一番人気の授業』をご紹介します。
目次
スタンフォード大学経営大学院で人気の授業を一冊で網羅できる
スタンフォード大学は、起業家を輩出することで大変有名な大学ですが、経営大学院もまた多くの起業家や経営者を生み出す大学院として有名です。今では世界で一番人気であり、難しい大学と言われています。
スタンフォードで教わる内容は、新しいビジネストピックやトレンドではなく、「持続的に価値を生み出していくための理論、思考法、フレームワーク」であるといいます。
本書は、その大学の中でも、ストーリー、マーケティング、イノベーション、社内政治、リーダーシップ、コミュニケーション、交渉術、会話術、マインドフルネスの分野を取り上げ、人気の授業を受け持つ12人の教授に取材し、どのような授業なのか、どのようなことを教えているのか、どのような考え方で社会に接すればよいか、それぞれの教授が答えています。
平易な文章、解りやすい構成
著者はコンサルタントで著述家の佐藤智恵氏。
全体的に平易な文章で小難しくなく、すっきりとした構成であっという間に読み進めることができます。
また、豊富な事例や実験結果が引用されています。
それについて簡単に解説が付いているので、納得しながら、それぞれの分野について理解を深めることができます。
人間は泥臭いものだ
読了して思ったことは、人間は泥臭いのがデフォルトなのだということ。
先述したように、社内政治や交渉術という、避けては通れないけどできれば避けて通りたい分野のこともしっかり取り上げられています。むしろ、スタンフォードの授業では、現実に即して、どの時代でも必要なものとして、しっかりと教え込むそうです。
社内政治や会話術の章は、日本ではあまり体感することはないかもしれませんが、アメリカの企業の場合は日常茶飯事なのだろうな、と考えさせられます。
この本を入り口に、興味を持った分野を読み進める
こういった海外の大学や、外資系の企業について書かれている書籍は、どこか気取っていたり、「意識高い」文章で読むのに疲れてしまう本が多いように思いますが、本書はそのようなことはありませんでした。
ただ、あまりにも簡単な文章で、なおかつ基本中の基本の事柄にしか触れられていないので、本書を読んで、すべての分野で「わかった気になる」のは危険です。
読み進めて、気になった章や分野があれば、それについてより詳細に書かれている別の書籍や論文を読み込むのが、良い読み方なのだろうと思います。
『スタンフォードで一番人気の授業』は、現在ビジネス書で賑わっているトピックを総ざらいし、改めて自分が気になる分野を考え直す良いきっかけになります。
今、特に読みたい本がなかったり、とりあえず様々なビジネス書に書かれていることの入り口を味わいたい、という方には是非お勧めします。